今江克隆のルアーニュースクラブR「ABU FOR LIFE AGAIN 〜ピュアフィッシング公式アンバサダー就任〜」 第1250回
ピュアフィッシング公式アンバサダー就任!
さて今週は、ちょっと驚きの報告です。なんとも縁は異なもの味なものといいますが、この度、2025年8月1日からのピュアフィッシング/AbuGarcia/BerkleyのJB/NBCサポート再開に伴い、「ピュアフィッシング公式アンバサダー」として再びサポート契約を締結することが決まりました。
LureNewsR
所感
今江さんが自身のブログで予告したとおり、LureNewsRの連載にてピュアフィッシングからのスポンサードについて詳細が報じられました。ぜひ引用元のリンクから原文をご覧ください。
さて、まず名称がエモいですよね。アンバサダーですよ、アンバサダー。今江さんはピュアフィッシングの親善大使を務めるということです。
そもそもリールをアンバサダーと名付けたところにセンスを感じます。スウェーデンから各国の皆様への親善大使という意味なのかな。スウェーデン品質を皆様の手に届けますというメッセージは自信の表れだったのでしょう。ちなみにディプロマットも異音同義語です。
記事にはここ数年の経緯も触れられています。その中で私が注目したフレーズはこちら。
劇薬的経営リストラクチャリング
今江節を崩さぬようにしつつも慎重に言葉を選んで執筆されたと感じます。ここでハッキリと言ってしまえば、当時、バスフィッシング界隈の人たちは大いにネガティブな印象を持った出来事だったろうと思います。
ただしですね、私も少年時代にバスフィッシングでルアー釣りを覚えたアングラーのひとりとして、また、地方のアングラーとして思うことがあります。日本のバスフィッシングはローカルイベントになってしまっていると。一部の地域において内輪で騒いでいるだけに見えます。
だから、勝手な感想ですが、2021年にピュアフィッシングが手を引いた時に私が思ったのは、日本のバス界が本場アメリカから「NO!」を突き付けられたということでした。そして、もしその通りだとしても仕方がないな、と感じていました。
ここには両国の間にある、釣りにまつわる基本的理解の違いが横たわっていると思います。
日本の釣りも古くは江戸時代以前にだって遡れますが、現在の私たちが当たり前だと思い込んでいる事柄は、戦時中・戦後の食糧難において何でも獲って食べるというサバイバル感覚が基礎になっていると思います。狩猟採集の感覚です。
対して、欧米の釣りは軍事演習から生じたものと考えられます。かつて馬で移動する時代においては、貿易も進軍も、その進路上に水源がなければ不可能でした。したがって領地内の水源を見回ることは平和を守ることに直結しており、生物調査は毒による攻撃をいち早く察知するためにも不可欠だったはずです。
また、王政下においては、野性の動植物もすべて、国王にその所有権があったとされます。漁業権を与えられた市民ならば魚を獲ることはできますが、その魚の所有権までは与えられず、所定の場所へ納めなければならないという決まりです。漁獲量と流通量は記録され、それらを突き合わせることで経済を管理することができました。その後には民主主義へと移行しますが、現在でもこの概念は残っています。つまり、野生の動植物は、その土地の所有者が所有権まで有しているというのが法令の定め、もしくは常識となっているため「フィッシングライセンス」や「キャッチ&リリース」が当たり前なのです。
日本におけるバスフィッシングは、この欧米的な感覚を、極めて表面的かつ形式的に輸入したものでした。その後に果たすべき本懐はバスフィッシングを通じて自然との付き合い方を学ぶというものだったはずですが、そのような自然学習の機運が高まることはなく、バスが釣れればいいだけのバスフィッシングになってしまっていたように思います。
今江さんが親善大使として、釣りを通じて身近な自然に目を向けましょう、子どもたちへ引き継ぐ環境を良いものにしていきましょう、ということをメッセージしてくださることを期待しています。
はてさて、筆を置くべきムードを醸し出しましたが、あと2つだけリアクションしたいと思います。
「ABU FOR LIFE」のスローガンに則り、自分は一生ピュアフィッシングと勝手に決めていた。
似たようなフレーズをどなたかもおっしゃっていたのですが、誤解を招きそうな言い回しだと感じました。
ABU FOR LIFE とは、「アブの理念はずっと変わりません。製品は生涯にわたってあなたの良き相棒を務めることでしょう」というような意味合いです。アングラー側がアブ製品の使用にあたって何らかの覚悟を求められるというようなニュアンスはありません。今江さんのフレーズは語順が異なる LIFE FOR ABU ということを言っているので、気をつけて読む必要があります。
それからもう1つ。
ガルプ!
これ、メッチャ釣れますから、本当に次元が違うと断言しておきます。「反則」とか「これで釣れなきゃ諦めろ」と言われるのも仕方ないレベルです。これからのトーナメントシーンで有効性が再認識されたら再びブームに火がつくと思います。
また、今江さんが指摘しているとおり、ガルプ!は生分解性素材であることにも注目がいきます。私も年間を通じて相当数の釣りをする中で環境への負荷が気になっていて、鉛のシンカーの使用率を減らしたり、バーブレスフックへと変更したり、タックルバランスを見直して根掛かり時にリグの残置が起きないようにしたりと、様々な工夫を取り入れています。同じ理由で、マックスセントからガルプ!への切り替えを探っているところです。
まぁ、しかし、ガルプ!は汁漏れや飛び散りという点で取り扱いに注意が必要なので、そこまで釣果を求めないカジュアルな用向きに「ニオイ控えめ・汁少なめ」みたいなものがあるといいんですけどね..
といったところで今回はお開きといたします。気になることが多すぎますね!